少年サッカー(8人制)のルールを解説!11人制との違いは?

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少年サッカーのルールを解説!8人制サッカーとは?おすすめルール本も。

少年サッカー(8人制)のルールとは?11人制との違いは?

 

子供がサッカーを始めるまで、「サッカー自体に興味がなかった。」という親御さんも実は少なくありません。

 

そんなパパママたちの中には、サッカーのルール自体に詳しくない人も多いです。

 

 

また、サッカー経験者にとっても、少年サッカーと大人のサッカーのルールの違いについては詳しく知らない人も結構いるんですね。

 

 

実は最近の少年サッカーでは11人制でなく、8人制で行われることはご存知ですか?

 

「少年サッカー=8人制」というわけではありませんが、日本サッカー協会(JFA)がU-12の試合でも導入して以降、現在はかなり8人制サッカーが浸透しているのが実情です。

 

 

ここでは、少年サッカーのルール、とりわけ、「大人の11人制サッカーと8人制サッカーのルール違い」を解説するとともに、おすすめルール本についても紹介したいと思います。

 

特に審判をされる場合などは、公式戦のルールとして、細かい違いも理解しておくと後々役に立つかと思います。

 

 

少年サッカーのルールと大人のサッカーとの大きな違いは?

 

少年サッカーと言っても、実は
基本的な競技ルールは大人のサッカーとほとんど同じです。

 

ただ、少年サッカーの場合、体の大きさや体力が劣ることを考慮し、フィールド(コート)の大きさ、競技時間が縮小したり短縮されています。

 

また、交代できる選手の人数や方法、フリーキック・スローイン等の際に相手チームの選手が近づける距離なども若干短くなります。

 

 

ざっとポイントだけまとめると、

  • フィールド(コート)が小さい
  • ゴールが小さい
  • ボールサイズが小さい
  • 試合時間が短い
  • 交代ゾーンがある&メンバー交代の自由度が高い
  • FK、CK、スローイン時に相手が近づける距離が短い
  • PKが3人

といったところが主な違いです。

 

 

それぞれ、11人制との違いを中心に項目別に詳しく見ていきましょう。

 

 

フィールド(コート)の大きさ

少年サッカーのフィールド(コート)

 

8人制 11人制
コートの大きさ 50m×68m(推奨) 68m×105m(推奨)
センターサークルの半径 7m 9.15m
任意のマーク 7m 9.15m
ゴールエリア ゴールポスト内側から4m ゴールポスト内側から5.5m
ペナルティーエリア ゴールポスト内側から12m ゴールポスト内側から16.5m
ペナルティーマークまでの距離 ゴールポスト中央から8m ゴールポスト中央から11m
ペナルティーアークの半径 ペナルティマークから7m ペナルティマークから9.15m
交代ゾーン ハーフウェイラインを挟んで6m 無し

 

少年サッカー(8人制サッカー)では、フィールドの大きさが50m×68m(推奨)になります。
※「推奨」と書いてあるのは、使用する試合会場の大きさによって若干修正することができるためです。

 

大人のコートが標準サイズで68m×105mですので、約半分の面積ですね。

 

8人制サッカーと11人制サッカーのコートサイズの違い

 

縦横を入れ替えると、11人制サッカー用のコートに、少年サッカー用のコートが2面入る大きさです。

 

 

以前の全日本少年サッカー大会のフィールドが横50m×縦80mだったことを考えると、縦の長さがより短くコンパクトになりましたね。

 

 

また、フィールドサイズが小さくなった分、ペナルティエリアやゴールエリア、ゴールの大きさなどもそれにあわせて小さくなっています。
(上の表、図を参照してください。)

 

 

交代ゾーンの設置

交代ゾーン

 

選手交代を自由に行えるように、11人制ではない交代ゾーンが設けられます。
ベンチ側のタッチラインのハーフウェーラインから左右3m(合計6m)の間では、審判に告げることなく自由に選手交代が可能です。

 

また、交代要員の制限がないので、より多くの選手が試合に出ることができるようになっています。
(詳しくは後述します。)

 

補足(ピッチの表面)

8人制 11人制
ピッチの表面(標準) 安全なもの

(天然芝、人工芝、土など)

芝(天然、人工)

 

ピッチの表面については、安全なものという規定があります。
推奨は天然芝、人工芝ですが、土のグラウンドでも可能です。

 

ただ、コンクリートやアスファルト等、転倒時にケガにつながりやすい表面での協議は禁止されています。

 

 

ボールのサイズ

8人制 11人制
ボールの種類 4号球 5号球(U-13は4号球)

 

サッカーボール4号

 

ボールサイズはU-12(12歳以下)は4号球を使用します。
11人制でもU-13では4号球を使用するので、基本的に13歳以下は4号球と理解しておけば良いでしょう。

 

サッカーボール4号についてはこちらの記事も参考にして下さい。

 

競技時間(試合時間)

8人制 11人制
試合時間 15〜20分ハーフ(標準)

or12分間のピリオド×3回

45分ハーフ
ハーフタイム 10分以内 15分以内

 

少年サッカーの試合時間は、大人の11人制が45分ハーフ(前半・後半45分ずつ)であるのに対し、15〜20分ハーフ(※)で行われます。

 

※15〜20分と書いてあるとおり、時間は年代によって変更でき、小学校3、4年生くらいまでは15分ハーフで行われる場合が多いです。

 

ハーフタイムは10分以内となります。(11人制では15分以内)

 

また、少年サッカー(8人制)では、3ピリオド制(前・中・後半)に分けることもできます。

 

陣地の入れ替え

また、ハーフタイムで、両チームの陣地を変えるのは通常と同じです。

 

【前・後半制】
前後半制のタイムスケジュール

 

【3ピリオド制】
3ピリオド制のタイムスケジュール

 

※3ピリオド制では、1ピリオドと2ピリオドの間、2ピリオドと3ピリオドの間、及び、3ピリオド中の中間点の合計3回陣地を入れ替えます。

 

 

延長戦の時間

8人制 11人制
延長戦の時間 5分間(ハーフ)以内 15分間(ハーフ)以内

 

延長戦を行う場合、前半・後半ともに5分ずつで合計10分間(以内)で延長戦を行います。

 

 

交代要員とファウル等退場時の対応

8人制 11人制
競技者(先発)の数 8人(登録は16人) 11人
試合成立人数 両チームが同数となる6人以上 7人未満は試合を開始しない
交代要員 試合に出場していない競技者 7人登録のうち3人まで
交代の方法 自由(交代ゾーンで交代できる)

※GKはプレー中断時に主審の承認を得て

アウトオブプレーの時に、審判の承認を得て3人まで
退場時の対応 競技者の補充が可能 競技者の補充は不可

 

交代のルールは大人のサッカー(11人制)と大きく違う点です。

 

 

交代要員の人数

8人制 11人制
交代要員 出場していない選手 3名まで

 

まず、交代要員は通常の11人制の場合は3名までですが、8人制の場合は試合登録者であれば何人でも交代可能です。
(実質は、16名登録のうち、8名が先発、残り8名が交代要員という形になります。ただし、両チームが事前に合意すれば交代人数を変更することもできます。)

 

 

交代の仕方

交代の仕方についても自由度が高くなっていて、
交代ゾーンからであれば、審判に告げずに自由に交代することが可能です。

 

さらに、1度交代した選手も再度交代要員として出場することもできるのが11人制と大きく違うところ。

 

交代のタイミングについても、ファウルなどで中断している時以外に試合中のプレーが続いている間(インプレー中)にも交代可能です。

 

 

ゴールキーパーの交代について

ただし、ゴールキーパーだけはプレー中断中(アウトオブプレー中)に審判に申告し、承認が必要になるので注意が必要です。
(キーパーも交代ゾーンから交代します。)

 

 

ファウル、退場時の対応

さらに、レッドカード等、ファウルで退場者が出た場合なども、人員の補充が可能です。

 

 

 

以上の交代ルールによって、流動的にメンバーを入れ替えることが可能で、より多くの選手がプレーしやすくなるように配慮がされています。

 

 

キックオフ時のルール

8人制 11人制
キックオフ 直接得点することができない 直接得点してもよい

 

キックオフ時に直接ゴールすることは認められません。
仮にゴールラインを割った場合は、そのゴールは認められず、相手チームゴールキックから試合を再開します。

 

 

フリーキック、コーナーキック、スローイン

8人制 11人制
FK時に離れる距離 7m 9.15m
CK時に離れる距離 7m 9.15m
スローイン時に離れる距離 2m 2m

 

●フリーキック、コーナーキック
コーナーキック

 

フリーキックや、コーナーキック時に相手チームの選手が近寄れる距離は7mまでです。
センターサークル、ペナルティアークの半径と同じ距離ですね。

 

これは、キックする選手の前方(例えばフリーキックの際に作る壁)だけでなく、横にいる選手も対象です。

 

つまり正確に言うと、キックする選手を中心として半径7m以上は離れていないといけないということですね。

 

 

コーナーからの距離は7m?8m?

ちょっと細かいですが、コーナーキックの場合はコーナーアークが1m程度ありますので、コーナーから8m(7+1m)の中には、守備側の競技者が入ってはいけないということになります。

 

コーナーキックで離れる距離

 

つまり、

 

・コーナーからの距離・・・8m
・コーナーアークからの距離・・・7m

 

です。

 

また、ショートコーナーの時に攻撃側の選手につられて近づいてしまうことが良くあるので注意しましょう。

 

フリーキックもコーナーキックも、体格が小さいこと、コートが小さいことを考慮してコンパクトにしている感じですね。

 

 

●スローイン
スローイン

 

また、スローインの際に、ボールを投げ入れる前に相手チームの選手が近寄れる距離は2mまでとなっています。

 

 

 

PKのキッカーの人数

8人制 11人制
PK方式 3人(同点時はサドンデス) 5人(同点時はサドンデス)

 

PKでは、通常の11人制サッカーでは5人がキックしますが、8人制では3人となります。

 

3人がPKをした時点で同点の場合は、サドンデス方式となります。

 

サドンデス方式については11人制と同じなので、最初の人数が違うだけですね。

 

 

審判について

8人制 11人制
審判の構成 主審、副審2人、第4の審判(任意)か、 主審、補助審判(必須) 主審、副審2人、第4の審判

 

試合の審判は、以下の2パターンで構成されます。

パターン1:主審(1人)、副審(2人)、第 4 の審判員(1人)の合計3〜4人
パターン2:主審(1人) と補助審判(1人)の合計2人

 

パターン1の場合は、第4の審判員は任意ですが、パターン2の場合は、補助審判は必須となります。

 

補助審判員ってなにするの??

人の少ない少年サッカーでは、パターン2の一人審判制で試合が行われることも少なくありません。
この場合は、補助審判員を付けることが必須になりますが、その役割は何かというと・・・

 

「補助」と名がつくだけあって、基本的には主審の補助、フォローをする形になります。
具体的には以下のような作業、役割をおこないます。

 

  1. 主審によって要請された試合前、中、後の管理上の任務を援助する。
  2. ボールの交換を管理する。
  3. 交代の手続きが円滑に行われるよう、主審を援助する。
  4. チーム、競技者が試合中にフェアプレー精神あふれる行動やリスペクトある行動を取っていたのを見た場合、主審に知らせ、主審がグリーンカードを示す援助をする。
  5. 警告する競技者の特定を間違えて別の競技者が警告されたときや、2つ目の警告が与えられたにもかかわらずその競技者が退場させられないとき、また主審の見ていないところで乱暴な行為が起きたとき、主審に合図する。

出展:8人制サッカー競技規則
https://www.jfa.jp/documents/pdf/eight/rules.pdf

 

 

グリーンカード

グリーンカード

主審は、フェアプレー精神やマナー、献身性や頑張りをたたえるために、グリーンカードを提示します。

 

カードの提示は、プレーの中断をせず、また試合中、終了後にかかわらず行うことができます。

 

これも特にU-12で導入された制度です。

 

幼年期では、技術の向上ももちろん大切ですが、それ以前に「お互いに対するリスペクトや思いやり」、「どんな状況でも常に全力を尽くす」など、スポーツに対する姿勢や精神面での成長というものが重要です。

 

フェアプレイをたたえるグリーンカード

 

審判がそういったプレーや行動を褒め、心身共にポジティブな成長を促すために考えられた制度です。
(子供は褒められて成長し、更にポジティブな行動へとつながります。)

 

審判をする場合は、是非積極的にグリーンカード制度を利用するようにしましょう。

 

 

グリーンカードを提示する際は以下のような点に注意しましょう。

 

  • 試合の流れを止めない
  • 躊躇せずに提示する
  • 誰に提示したかをわかりやすく簡単な状況説明もする
  • 褒める

    (キッズの場合は、頭をなでる、笑顔で接する、等のポジティブなアクションもポイント)

 

 

8人制が導入された理由(メリット)と意図

さて、ここまで少年サッカー、とりわけ8人制サッカーのルールについて解説してきたわけですが、そもそも「8人制サッカー」が導入された理由とはなんでしょうか?

 

日本のジュニア世代がサッカー選手として成長するための環境・土台づくり

 

これが8人制サッカー導入の最大の目的です。
(セレビ的にかみくだいて説明しています^^)

 

 

もっと具体的に言うと、、、

子どもたちのプレー時間を出来る限り確保すること!

になります。

 

 

そもそも、サッカーの実力をあげるためには試合に出ることが重要です。

 

というのも、試合は、練習では経験できない多くのことに立ち向かい、解決する能力を身につけられる場だからです。

 

 

つまり、

  • サッカー選手として成長するには、多くの試合に出場し、ボールに触れる機会を増やすことが重要。
  • そのためには、多くの子供達が試合に出場できるようにする環境、ルールが必要。

というわけです。

 

 

それらを実現する策として、

  • フィールド(コート)のサイズを小さくして、ボールコンタクトの機会を増やす
  • 自由にいつでも交代できるようにして、多くの子供たちが試合でプレーできる機会を増やす

を取り入れた8人制サッカーが生まれた。

 

ということですね。

 

 

こうやって、少年サッカーのレベルの底上げをしていくことによって、最終的には日本のサッカーそのもの競技レベルを上げていくことにつながるわけです。

 

 

少年サッカーのおすすめルール本

 

今回は、少年サッカー(8人制)のルールについて、11人制サッカーとの違いを中心に解説しました。

 

ただ、オフサイド、フリーキックなど、サッカーの基本的な競技ルールを知りたい!という人には少し物足りなかったかも知れません。

 

もっと詳しく知りたい場合に、参考になり、且つわかりやすいおすすめのサッカールール本を紹介しておきます。

 

 

●超カンタンにわかる! 少年サッカールール 8人制サッカー、フットサルもバッチリ!
単行本(ソフトカバー): 160ページ

 

 

セレビの書評(レビュー)
「オフサイドの見分け方は?」「ファウルスローって?」「直接フリーキックと間接フリーキックの違いは?」「ゴールはどの瞬間に決まるの?」など、基本的なルールを写真とイラストを使ってわかりやすく解説しています。

 

8人制サッカー、フットサルのルールについても記載があり、サッカー未経験のお父さんにもおすすめのルールブックです。

 

●わかりやすいサッカーのルール (スポーツシリーズ)
文庫: 207ページ

 

わかりやすいサッカーのルール (スポーツシリーズ)

成美堂出版
売り上げランキング: 132,943

 

セレビの書評(レビュー)
オフサイド、フリーキック、ペナルティーキックからゲームの展開まで写真とイラストでポイント解説しています。
オールカラーの写真で、複雑なオフサイドの説明も非常に分かりやすいです。

 

また、文庫本サイズなので、持ち歩きにも便利。
子供が練習に行く時にも持ち歩くこともできますし、審判資格を取る人にも参考になる内容です。

 


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